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48時間以内に仮歯が装着できる即時荷重インプラントとは

インプラント治療は、歯を失った場合でも本物の歯のような見た目、そして噛み合わせを回復できる優れた治療法です。

しかし、顎の骨にインプラントを埋め込んでから数ヶ月もの間、骨の回復とインプラントへの結合を獲得するために安静を図らなければならず、その間は仮歯でさえ入れることはできませんでした。

そこで、これでは不自由であるということで開発されたのが、即時荷重インプラントです。

今回は、即時荷重インプラントについて解説します。

即時荷重インプラントってなに?

即時荷重インプラントとはどのようなインプラントなのでしょうか。

即時荷重インプラントとは、インプラントを顎の骨に埋め込んでから48時間以内に、仮歯を装着して噛めるようにするインプラント治療法です。

即時荷重インプラントと従来のインプラント治療の違い

従来のインプラント治療では、インプラントを埋め込んでから数ヶ月間、仮歯を含めて歯をつけてはならないとされています。したがって、その間、歯がないままになったり、入れ歯を入れたりしなければなりませんでした。

一方、即時荷重インプラントなら、入れ歯ではない仮歯を遅くとも2日以内には入れることができます。仮歯ですが、人工の歯を2日以内という非常に早い段階で入れられるかどうかが、最も異なるポイントといえます。

即時荷重インプラント手術日の治療の流れ

では、即時荷重インプラントの手術の基本的な流れを紹介します。

①局所麻酔

歯ぐきに局所麻酔の注射をします。
このとき、静脈内鎮静法とよばれる精神的にリラックスさせる処置を組み合わせて行なうところもあります。

②歯ぐきの切開

インプラントを埋め込もうとする部位の歯ぐきに切開を加えて剥離し、骨を露出させます。

③顎の骨の形成

顎の骨にインプラントを埋め込むための穴をあけます。

④インプラントの埋入

形成された穴に、インプラントを埋め込みます。

⑤縫合

切開した歯ぐきを縫合して閉じます。

⑥歯型をとる

30〜60分ほど時間をあけてから、仮歯用の歯型をとります。

⑦仮歯をセット

仮歯を装着して噛み合わせのチェックを受けた後、帰宅します。

時即時荷重インプラントを成功させるための条件

どんな方でも即時荷重インプラントが成功するわけではありません。即時荷重インプラントでは、特に初期固定とよばれるインプラントを埋め込んだ当初の段階で、どれだけ骨にしっかりと食い込ませることが出来るかが、従来型のインプラントと比べて大変重要な要素となっています。

即時荷重インプラントが成功するための条件を紹介します。

骨の状態

インプラントを埋め込む場所の骨の厚みが十分にあり、かつ骨の質がしっかりとした硬い骨でなければなりません。
インプラントを埋め込もうとする場所の骨がどのような状態にあるのかを、事前にしっかりと調べておく必要があります。

仮歯の状態で硬い物を噛まない

硬いものを噛むと、それだけインプラントに負荷がかかります。
インプラントが骨と結合するのに必要な期間、つまり仮歯を入れている間は、インプラントで硬い物を噛まないように注意しなければなりません。

定期的なメインテナンスを受けること

仮歯の時期を含め、定期的にメインテナンスを受ける事が大切です。
もし、定期的にきちんとメインテナンスを受けられないような方は、即時荷重インプラントを避けた方がいいでしょう。

歯ぎしりなどの癖がない

歯ぎしりや食いしばりなどの噛み合わせに関わる癖があると、インプラントに過大な負担がかかってしまいます。
このような癖がある方は、即時荷重インプラントは適していません。

即時荷重インプラントのメリット・デメリット

即時荷重インプラントの特徴を、メリットとデメリットから解説します。

メリット

仮歯をすぐに入れられる

即時荷重インプラントなら、インプラント手術と同時に仮歯を入れることができます。

歯が無いまま、もしくは入れ歯で過ごす必要がありません。

その日から噛める

インプラント手術を受けた日から、柔らかい食べ物に限られますが食事ができます。

デメリット

処置が難易度が高い

従来型のインプラント治療と比べると、求められる技術レベルが高いとされています。
よって、インプラント治療を行なっている歯科医院の中でも、即時荷重インプラントを受けられるところは限られています。
どこでも受けられるわけではないという点も、デメリットといえるでしょう。

条件がある

即時荷重インプラントは、あらゆる方に応用できるインプラントではありません。
その日のうちに仮歯を入れられるような条件が整っている方に限られます。

まとめ

即時荷重インプラントは、インプラントを埋め込んだ日、もしくは48時間以内に仮歯まで装着するタイプのインプラントです。

従来型インプラントでは、人工の歯が入る数ヶ月先まで、歯がない状態、もしくは入れ歯で過ごさなければならなかったので、仮歯ですが、その日のうちに歯が入るというのが大きな特徴です。

ですから、前歯なら見た目が、奥歯なら噛み合わせが短期間で回復できるという大きなメリットです。

骨がしっかりしていなければならないなどの条件があり、あらゆる方に応用できるインプラント治療ではないのですが、これからインプラント治療を受けようと考えている方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。