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光機能化インプラントの効果や特徴とは


インプラント治療を受けると、失ってしまった歯の噛み合わせを回復させて、再びしっかりと噛めるようになります。そんなインプラント治療の特徴によって、近年インプラント治療が普及しています。

しかし、あらゆるインプラント治療が成功するわけではなく、より成功率を高めようと、さまざまなインプラントが開発されています。

そのひとつに、光機能化インプラントがあります。
光機能化インプラントとはどのようなインプラントなのでしょうか。
今回は、光機能化インプラントについて解説します。

光機能化インプラントとは?

光機能化インプラントとは、どのようなインプラントなのでしょうか。

光機能化とは

二酸化チタンには、紫外線が当たると二酸化チタン表面の親水性が再生する性質があります。

この性質を応用して、紫外線の波長や強さを最適化して照射することで、二酸化チタンの表面の性質を、水分が広がりやすい超親水性に変化させることを、光機能化とよんでいます。

超親水性化された二酸化チタンは、時間とともに親水性を失い、徐々に水をはじく疎水性になっていきますが、再び光を当てると超親水性を獲得できるという特性を持っています。

光機能化インプラントとは

インプラントの表面に光を当てることで、その表面を活性化させたインプラントのことです。
アメリカのUCLAという大学で開発されました。

現在のインプラントは、チタニウムという金属でできています。

チタニウムには、骨となじみやすい性質があり、チタニウムでできたインプラントを顎の骨に埋め込みますと、その周囲に骨が再生され、インプラントとしっかりと結合します。

しかし、インプラントの製造から時間が経ととともに、徐々にチタニウムがもっている骨との結合力が低下していきます。
そこで開発されたのが、光機能化インプラントです。

光機能化インプラントは、従来型のインプラントとと違い、時間経過による劣化を防げるようになっており、骨との結合力が従来型インプラントよりも高められています。

光機能化インプラントの特徴

インプラントを光機能化することで、インプラント治療にどのような効果が得られるのでしょうか。

光機能化させる方法

インプラントを顎に埋め込んでしまうと、インプラントは骨の中に入り込んでしまいますから、光を当てることはできません。
そこで、骨に埋め込む前に、インプラントに最適化された光を照射することで、インプラントを光機能化させます。

光機能化の効果

では、インプラントを光機能化することでどのような効果が得られるのでしょうか。

骨と結合しやすくなる
光機能化の効果を簡単にいうと、骨とインプラントが結合しやすくなるということです。骨とインプラントがしっかりと結合するということは、インプラントを成功させるために大変重要な要件です。
ですから、光機能化の恩恵はとても大きいのです。

骨と結合しやすくなる理由
光機能化を受けたインプラント体は、超親水性を獲得し、水分が広がりやすい状態になります。
これによって、インプラントの表面に骨の細胞が広がりやすくなり、インプラントの表面全体に骨を作り出す土壌が出来上がります。
こうして、インプラントの表面に骨がしっかりと再生することで、インプラントと骨が強固に結合するようになるのです。

骨との結合力の成績
光機能化による効果は、数字の面でも明らかになっています。
光機能化インプラントが登場する以前のインプラントは、インプラントの表面をわざと荒くして、表面積を拡大することで、骨が結合する面積を大きくし、インプラントと骨との結合力の向上を図っていました。これを、ミクロ粗面インプラントといいます。

ミクロ粗面インプラントは、そうでないインプラントと比べると3倍ほども成績が良くなっていたのですが、光機能化インプラントもまた、ミクロ粗面インプラントのおよそ3倍もの結合力の向上が認められました。ですので、登場初期のインプラントと光機能化インプラントを比較すると、約9倍もの骨のとの結合力の向上が認められたことになります。

また、インプラント体が骨の中で、安定化するスピードを比較すると、光機能化インプラントでは、3〜30倍もの速いスピードで安定していたそうです。
これらのことから、光機能化によってインプラントの骨との結合力が、非常に良くなったことがわかります。

光機能化インプラントの失敗率

インプラントが失敗する理由

インプラントは、製造直後の段階では親水性をもっており、水が非常に広がりやすくなっています。

しかし、時間が経ととともに、その親水性は低下していきます。そして、使用する頃には、疎水性へと変化してしまっています。
このため、インプラントを骨に埋め込んだときに、インプラントが本来もっていた親水性を発揮できず、インプラントの表面に骨の細胞が集まりにくくなっていることが、インプラントと骨が結合しにくくなり理由と考えられています。

インプラントが失敗する理由は、手術の失敗も含めいろいろありますが、インプラント手術がうまくいっているにも関わらず、インプラントが骨と結合せず、しっかりとした安定感を獲得できないときには、インプラント体そのものに原因がある場合があるのです。

光機能化インプラントの失敗率

世界インプラント学会のコンセンサスによると、光機能化インプラントが開発される前の段階では、世界平均で8〜9%程度の割合でインプラント治療が失敗していました。

ところが、光機能化インプラントでは、失敗率がなんと0.3%だったということです。
骨との結合力を高めた光機能化インプラントの効果がとても高いことが伺えますね。

まとめ

光機能化インプラントは、インプラントの骨との結合力を高めるために開発されました。
インプラントを光機能化するかすることで、骨との結合力はミクロ粗面インプラントと比べて3倍、初期のインプラントとでは9倍にまで高められています。

その結果は、失敗率の低下にも現れています。
これからインプラントを受けようと考えている方には、光機能化インプラントがおすすめです。